書いてるだけで丸裸

とはいえパブリックであることは忘れずに生きたい

20240308 / 世間の春を感じた日

 

朝起き出すとカーテンの隙間から漏れる光が明るい。雪降らんかったか、積もったか……と思いつつ開けると、空は晴れ雪は街路樹のあたりにちょっぴり積もっていた。道路には積雪なし。セーフ。

いつも通り『気づいたこと、気づかないままのこと』を朗読後、『江神二郎の洞察』を読み始める。未読だと思っていたけれど短編のタイトルを見るうちにうっすらいくつか記憶が蘇ってきた。初読ではないが、まあいいか、と、戯れに最初の「瑠璃荘事件」の1章を関西弁風味で読み上げる。ふるさとの訛りもだが、体験してみたかった学生時代の楽しさを自己供給したような心持ち。満足。

朝食、タマネギチーズトーストを作りながら昨日ミニトマトを使い切ったことを惜しむ。ここにのせたかった。片付け、日記、ティータイム、シャワーとテンポよくこなす。いいリズムができてきている。

 

昼食、ようやくキムチを使い切る。1ヶ月弱賞味期限を過ぎていたけれど、直箸していなかったからかいけた。買い支えたい商品だけれど、私の中のキムチブームが落ち着いているので悩ましいところ。

行儀悪く食べながらネットサーフィンしていたところ鳥山先生の訃報を目にする。有名人の訃報を聞くたびに、私淑している心の師がまだご存命かはっとなって調べているが、今回もはっとなった。御年80歳でご存命の様子にほっとする。落ち着いてネットの海に戻ると、鳥山先生のことを「早すぎる」と嘆く声があった。確かに80歳に比べると早いけれど、うーん。50代前半ぐらいまでだと早すぎるような気もするが。しかし突然のことだったから、余計になのかもしれない。個人の思い入れもあるだろう。

 

仕事は予告通り進捗が悪いようで、仮で進め始める。パン屋さんに関する仕事が少しあり、パンを焼きたい気持ちに駆られた。

うちの狭いキッチンでもできるだろうか。今年はすでに揚げ物と挽肉料理にチャレンジし始めている。オーブンはあるにはあるが、10年以上ものの電子レンジしかほぼ使っていないオーブンレンジのオーブンだ。そもそも焼いた量を食べ切れるのか? しかも、昔一度チャレンジして、発酵がうまくいかず、失敗している。不安。だが焼いてみたい。『ごほうびごはん』でいうところの時差ゼロパン。響きがあこがれ。

空腹を抱えつつ、夕飯の時間。社食でカレー、ちゃんと辛め。その後来週の地獄の予習ともいうべき仕事をたらたらと進め、退勤。


『みんなもっと日記を書いて売ったらいいのに』に起因する、「楽しむことをやる」ことについて、まだふと気がつくと考えていることがある。手持ちのあるもので楽しむことがまず肝要、なのだろう。考えているうちに禅問答めいてくる気配を感じる。


帰路、夜の街で連れの男性にからみつつ大声で歌う女性、駅で転んだのか救急隊員さんに囲まれ搬送判定中なおじいちゃん、マーライオンして倒れ込んでいるのだろう女性と思わしきかたまりとそれを苦笑しつつ見守る連れの男性と駅員さんを立て続けに見かける。

年末の風景と似ているが、どの顔も疲れはなく、どこか明るさや穏やかさがある。皆の中で春が動き始めている。